中小企業の販促・広報担当の方からよく聞くのが、「GA4(Googleアナリティクス4)の設定はできたけど、どこを見ればいいのかわからない」という声です。
GA4は、旧ユニバーサルアナリティクス(UA)から大幅に仕様が変わり、データの計測方法や画面構成も一新されました。従来の感覚で数字を眺めているだけでは、重要なデータを見落とし、成果改善のチャンスを逃してしまうこともあります。

本記事では、中小企業がGA4を活用して成果につなげるための「見るべき指標」と「分析の進め方」を、初心者にも理解できる形で丁寧に解説します。さらに、実務に役立つ専門的な知識や分析の精度を高めるコツも盛り込みました。

この記事を読むことで、

  • GA4の全体像と主要機能の理解
  • 成果に直結する指標の見極め方
  • 誤った分析や判断ミスを防ぐ方法
  • 自社で実践できる改善のステップ

最後には、GA4の画面を一緒に見ながら改善策を提案する無料30分相談もご案内します。数字を「なんとなく見るだけ」から、「利益を生むツール」へ変えるきっかけにしてください。


GA4の全体像と基本機能を正しく理解する

イベントベース計測の仕組み

GA4の最大の特徴は、イベントベースの計測方式です。旧UAでは「セッション」を基準に、ページビューやイベントを紐付けていましたが、GA4ではユーザーの行動をすべてイベントとして記録します。

なぜイベントベースなのか

現代のユーザー行動は、必ずしも1回の訪問で完結しません。スマホで商品ページを見て、後日PCで購入するような行動もあります。イベントベースでは、デバイスやセッションを跨いでも行動を追跡できるため、より実態に近い分析が可能です。

実務でのポイント

  • 重要イベント(例:フォーム送信、電話クリック)は必ず設定
  • 自動計測イベントも活用(スクロール、外部リンククリックなど)
  • イベント命名はわかりやすく統一する(例:form_submit

主要画面と使いどころ

GA4には大きく分けて4つの主要画面があります。

レポート

日常的にアクセス状況を把握するための画面。リアルタイムのアクセスやユーザー属性、集客チャネルなどをすぐ確認できます。
広告施策の成果を分析する方法はこちら

探索(エクスプロレーション)

セグメントやディメンションを組み合わせて、詳細な行動分析ができます。経路探索やセグメント比較は改善施策の根拠を作るのに有効です。

広告

Google広告やSNS広告と連携し、コンバージョン経路やアトリビューションを分析します。予算配分や施策効果の比較に欠かせません。

設定

データの計測条件を整えるための重要な場所。イベント・コンバージョン・オーディエンス・データストリームを管理します。


中小企業が注目すべき指標と分析の進め方

ホームページ全体の健康状態を示す指標

セッション数

訪問回数の合計。広告出稿やSNS施策の効果測定の基本となります。月単位・週単位で増減を比較することが大切です。

エンゲージメント率

GA4のエンゲージメント率は、直帰率の逆概念。一定時間以上の滞在や複数ページの閲覧など、積極的な行動を示します。数値が低い場合、コンテンツの質やページ速度を改善する必要があります。

ユーザー属性

地域、年齢、性別などを把握できます。例えば岡山県内の中小企業なら、県外からのアクセス比率を見て商圏戦略を見直すきっかけになります。

成果に直結するコンバージョン関連指標

コンバージョン数

問い合わせや購入、資料請求などの件数。目標達成数として最重要指標の一つです。

コンバージョン率(CVR)

訪問者のうち、目標達成した割合。例えばCVRが1%から2%に改善すれば、同じ流入数でも成果は倍になります。

経路探索

ユーザーが目標に至るまでの流れを可視化します。「ランディングページ → サービスページ → 問い合わせフォーム」というような典型的経路を知ることで、離脱防止の改善ポイントが明確になります。

業種別に優先度が高い指標

  • ECサイト:カート追加率、購入完了率、商品ページ滞在時間
  • サービス業:問い合わせページ到達率、電話クリック数
  • 店舗型ビジネス:来店予約完了率、Googleマップ経由のアクセス数

指標は3〜5個に絞り、毎週同条件で追跡するのが効果的です。


分析精度を高め改善につなげる実践ステップ

正しいセグメント設定で分析の精度を確保

よくあるミス

条件を重複設定してしまい、意図しないユーザー群が混ざるケース。新規ユーザー分析のはずがリピーターも含まれていることがあります。

対策

  1. 条件を一つずつ追加し、表示結果を確認
  2. 過去データとの比較で異常値をチェック
  3. 保存したセグメントは定期的に見直し

期間設定と条件固定で比較の信頼性を担保

GA4は初期状態で直近28日間表示になっています。期間条件を揃えないと、正確な比較はできません。

  • 広告施策:施策期間+前後1週間
  • 季節イベント:前年同月比較

データクレンジングでノイズ除去

内部アクセスやスパム流入は必ず除外します。

  • 社内IPの除外設定
  • 不要イベントの削除
  • 参照スパムのフィルタリング

改善施策の実行と検証

データ分析は改善行動とセットです。
例:問い合わせフォーム離脱率が高い → 入力項目を削減 → 1か月後にCVR比較。
こうしたPDCAを回すことで、数字は確実に改善します。


まとめ

GA4を中小企業が活用するには、

  1. 全体像と機能を理解
  2. 成果に直結する指標を選定
  3. 分析精度を高める設定と運用
  4. 改善施策を実行し検証

という4ステップが不可欠です。数字の変化を敏感に捉え、素早く改善に着手する習慣が競合との差を生みます。

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