2026.01.26
何ができるか」より「どう変われるか」-選ばれるマーケティングは価値訴求で決まる。

マーケティングの現場で、こんな会話を耳にしたことはないでしょうか。

  • 「うちの商品は、こんな機能があります」
  • 「他社よりも性能が高いです」
  • 「業界最安値です」

決して間違ってはいません。
むしろ、真面目に、自社の商品・サービスの良さを伝えようとしている姿勢だと思います。

それでも――
「なぜか選ばれない」
「問い合わせが増えない」
「価格で比較されて終わる」

そんな壁にぶつかっている企業は、少なくありません。

その原因は、とてもシンプルです。

“何ができるか”は伝えているけれど、
“それを使うことで、相手がどう変われるのか”が伝わっていない。

この記事では、
なぜ今のマーケティングにおいて「機能訴求」だけでは足りないのか、
そして、選ばれる企業が必ずやっている「価値訴求」の考え方を、できるだけ分かりやすく解説していきます。


機能訴求は「間違い」ではない。ただし、それだけでは足りない

まず誤解のないように言っておきたいのですが、
機能訴求そのものが悪いわけではありません。

商品の性能、価格、スペック、対応範囲。
これらは購入判断において、確かに必要な情報です。

問題は、それが“主役”になってしまっていることです。

今の市場は、どうでしょうか。

  • 同じような商品
  • 同じようなサービス
  • 同じような価格帯
  • 同じような言葉

情報は溢れ、比較は簡単になり、
ユーザーは「違いが分からない状態」に置かれています。

そんな中で
「うちは〇〇ができます」
「△△機能が優れています」
と語っても、それは比較表の1項目に埋もれてしまうだけです。

機能は、“選ばれる理由”にはなりにくい
多くの場合、“選ばれなかった理由”にすらならないのが現実です。


人は「機能」ではなく「変化」にお金を払う

少し視点を変えてみましょう。

あなた自身が、最近お金を払った商品やサービスを思い出してみてください。

  • ジムに入会した理由は、「最新マシンがあるから」でしょうか?
  • 家を建てる理由は、「断熱性能が〇〇だから」でしょうか?
  • マーケティング支援を依頼する理由は、「施策の数が多いから」でしょうか?

おそらく違います。

  • 痩せたい、健康になりたい
  • 家族と安心して暮らしたい
  • 売上を伸ばしたい、経営の不安を減らしたい

人は「変わりたい未来」に対してお金を払っています。

機能は、その未来にたどり着くための“手段”にすぎません。

にもかかわらず、
多くのマーケティングでは、その手段だけが前に出てしまっている。

これが、価値が伝わらない最大の理由です。


価値訴求とは、「使った後の世界」を描くこと

では、価値訴求とは何なのでしょうか。

難しく考える必要はありません。

「この商品・サービスを使ったあと、
その人の生活・仕事・気持ちは、どう変わるのか?」

これを言語化し、伝えることです。

たとえば、同じサービスでも、表現はこう変わります。

機能訴求

  • 最新ツールを導入
  • 多数の施策を実行
  • データ分析が可能

価値訴求

  • 何をすべきか迷わなくなる
  • 社内で説明できるようになる
  • 社内で説明できるようになる
  • 売上の打ち手が明確になる

どちらが「自分ごと」として想像しやすいでしょうか。

価値訴求とは、
相手の頭の中に「自分が変わった後の姿」を浮かばせることです。


「価値」は企業が決めるものではなく、顧客が感じるもの

ここで重要なポイントがあります。

それは、
価値は、企業が一方的に決めるものではないということです。

「この商品は、こんな価値があります!」
と声高に叫んでも、
顧客がそう感じなければ、それは価値にはなりません。

価値は、あくまで
顧客の文脈の中で生まれるものです。

  • どんな悩みを抱えているのか
  • 何に不安を感じているのか
  • 何を諦めかけているのか
  • どうなれたら嬉しいのか

これを知らずに価値訴求はできません。

だからこそ、
本質的なマーケティングは「顧客理解」から始まります。


機能訴求が強い会社ほど、価格競争に巻き込まれる

機能を前面に出すと、何が起こるか。

答えはシンプルです。
比較されます。

  • もっと安い会社
  • もっと多機能な会社
  • もっと有名な会社

こうした競合が必ず現れます。

そして、最終的に言われるのが、この一言。

「じゃあ、安い方でいいですね」

これは、あなたのサービスが悪いわけではありません。
伝えている軸が“機能”だから、価格でしか判断できなくなっているのです。

一方で、価値訴求ができている企業は違います。

  • 「ここに頼みたい」
  • 「この会社じゃないと不安」
  • 「一緒にやってほしい」

こうした感情が生まれます。

価値で選ばれると、価格は「条件のひとつ」に変わります。


「どう変われるか」を語れる会社は、指名される

価値訴求ができるようになると、マーケティングの景色が変わります。

  • 問い合わせの質が変わる
  • 価格交渉が減る
  • 初回から信頼された状態で話が進む

なぜなら、相手はすでに「変わった後の自分」を想像しているからです。

「この会社となら、そこに行けそうだ」

そう感じたとき、人は行動します。


価値訴求は、コピーだけの話ではない

ここで注意したいのは、
価値訴求は「言葉を変えればいい」という話ではない、ということです。

  • ホームページ
  • 広告
  • 営業資料
  • 商談
  • アフターフォロー

すべてが一貫していないと、価値は伝わりません。

もし広告では「未来」を語っているのに、
商談で機能説明ばかりしていたら、違和感が生まれます。

価値訴求とは、
マーケティング全体の設計思想です。


これからのマーケティングに必要なのは「価値の翻訳力」

多くの企業は、素晴らしい商品・サービスを持っています。

それでも選ばれないのは、
価値がないからではなく、価値を“翻訳”できていないからです。

  • 専門用語を、生活の言葉に
  • 機能を、変化の物語に
  • 施策を、意味のある体験に

この翻訳ができたとき、マーケティングは一気に強くなります。


まとめ|「何ができるか」は最後でいい

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 人は機能ではなく「変化」にお金を払う
  • 機能訴求だけでは、比較と価格競争に陥る
  • 価値訴求とは「使った後の世界」を描くこと
  • 価値は顧客の文脈の中で生まれる
  • 「どう変われるか」を語れる会社が選ばれる

だからこそ、順番を変えてみてください。

「何ができるか」ではなく、
「どう変われるのか」から語る。

それが、これからの時代に選ばれるマーケティングです。


次にやること

もし、

  • 自社の強みはあるはずなのに、うまく伝わっていない
  • 機能説明ばかりになってしまう
  • 価格で比較される状況から抜け出したい

そう感じているなら、
一度「価値」の整理から一緒に考えてみませんか。

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