「アクセス数は増えている」 「広告のクリック率も悪くない」 「数字のレポートも毎月確認している」
それでも、 売上が伸びない。問い合わせが増えない。次に何をすべきか分からない。
マーケティングの現場では、こうした悩みが本当に多く聞かれます。 特に近年は「データドリブン」「KPI管理」といった言葉が浸透し、 以前よりも数字を見る文化は確実に広がりました。
しかし一方で、こんな状態に陥っている企業も増えています。
その原因は、決してデータ不足ではありません。 多くの場合、問題はもっとシンプルです。
「数」だけを見て、「理由」を見ていない。 あるいは、 「理由」だけを信じて、「数」で確かめていない。
この記事では、 なぜマーケティングにおいて 定量調査(数)と定性調査(理由)の両方が必要なのか、 そして、どの順番で、何を押さえるべきなのかを、 専門家の視点からわかりやすく解説します。
マーケティングではよく、定量データという言葉が使われます。 これは簡単に言えば、
といった「測れる情報」です。
たとえば、
これらはすべて定量データです。
問題は、数字が間違っていることではありません。 ほとんどの場合、数字そのものは正確です。
では、なぜ判断を誤るのか。
それは、 数字を「答え」だと思ってしまうからです。
数字はあくまで「結果」です。 しかしマーケティングで本当に必要なのは、
なぜ、その結果になったのか?
という問いです。
数字だけを見ていると、 「増えた・減った」で思考が止まり、 次の一手が感覚頼りになってしまいます。
定量調査とは、 アンケートやアクセス解析などを通じて、 **「どれくらいの人が、どう動いているか」**を把握する調査です。
マーケティングにおいて、定量調査は欠かせません。
こうした判断は、数字がなければできません。
ただし、定量調査には明確な限界があります。
それは、 「なぜそうなったのか」は分からない という点です。
数字はこう教えてくれます。
でも、 なぜBが選ばれたのか なぜ減ったのか までは教えてくれません。
ここを数字だけで解釈しようとすると、 担当者の経験や思い込みが入り込み、 判断がズレ始めます。
ここで重要なのが、 定量調査=自社の数字を見ること ではない、という点です。
マーケティング戦略を考えるうえで、 定量調査で最低限押さえるべき情報があります。
それが、
です。
売上が伸び悩むと、よくこんな議論が起きます。
「魅力が伝わっていないのでは?」
「価格が高いのでは?」
しかし、その前に確認すべきことがあります。
そもそも、知られているのか?
購入対象層のうち、
この認知度を把握しないまま施策を考えると、 課題を見誤ります。
認知が低いのに比較訴求をしても、 そもそも土俵に上がれていません。
次に重要なのが購入意向度です。
購入意向度とは、
といった、購入に対する温度感を数値で把握するものです。
このデータがあると、
が分かります。
施策の優先順位は、ここで大きく変わります。
もう一つ重要なのが市場規模です。
市場規模とは、
という「市場の大きさ」です。
市場規模を知らなければ、
を判断できません。
ここで登場するのが定性調査です。
定性調査とは、
などを通じて、 お客さんの気持ちや判断の理由を深掘りする調査です。
専門用語で言えば、 顧客インサイトを探る調査とも言えます。
同じ「購入した」という結果でも、
理由は人によってまったく違います。
この「理由」が分かると、 数字は単なる結果ではなく、 意味を持った情報に変わります。
ただし、定性調査にも落とし穴があります。
マーケティングではこれを サンプルバイアスや認知バイアスと呼びます。
だからこそ、
この順番が重要になります。
マーケティングの正解は、 定量か定性か、どちらか一方ではありません。
数字で全体を見て、理由で中身を理解する。
この両方を重ねたとき、 初めて「使える答え」が見えてきます。
が、感覚ではなく設計できるようになります。
マーケティングは、 一発で正解を当てる仕事ではありません。
この繰り返しです。
だからこそ、 理由(定性)と数(定量)の両方が必要になります。
数字を見ることは大切です。 でも、その数字の向こう側には、必ず人がいます。
マーケティングとは、 その判断の背景を理解し、 価値を正しく伝える活動です。
もし今、
そう感じているなら、 一度立ち止まって、 定量で市場を押さえ、定性で理由を理解する ところから整理してみてください。
私たちは、 定量調査と定性調査を切り分けるのではなく、
「定量で前提を整理し、定性で理由を深掘りし、戦略につなげる」 マーケティング支援を行っています。
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