2025.10.20
テレビCMもWEBも同じ“ファネル設計”で考える──統合型プロモーションの基本

「テレビCMはマス訴求、WEB広告はターゲット訴求」。
多くの企業でこのような考え方が定着しています。
しかし、現代の消費者行動を見れば、その境界はすでに曖昧です。
テレビで知り、スマホで検索し、SNSで評判を確認してから公式サイトへ──。
この一連の行動はひとつの顧客体験(カスタマージャーニー)としてつながっています。

つまり、顧客の目線で見れば、「マス」も「デジタル」も関係ありません。
あるのは、ひとつのブランド体験だけ。
そのため、これからのプロモーション設計では、「どの媒体で伝えるか」よりも、「どんな体験を設計するか」がより重要になります。

私たちIWOは、顧客理解を起点にマスメディアとデジタルを融合させた統合型プロモーションを設計しています。
テレビCMもWEB広告も“同じファネル設計”の中で考える──それがIWOの基本思想です。


目次


ファネル設計とは「顧客の心理を構造化すること」

マーケティングでよく使われる「ファネル」とは、顧客が商品やサービスを知ってから購入・推奨に至るまでの心理変化を段階的に表したものです。
IWOでは、この流れを以下の6ステップで整理しています。

  1. 認知:まず知ってもらう
  2. 興味喚起:もっと知りたいと思ってもらう
  3. 理解促進:価値・違いを理解してもらう
  4. 比較検討:他社と比較しやすくする
  5. 購入:迷いを取り除き行動を促す
  6. 推奨:体験を共有・紹介してもらう

この6つのフェーズは、いわば「顧客の感情の地図」です。
どのフェーズにいるかを正確に把握し、それに合わせたメッセージを発信することで、無理のない購買行動を促すことができます。

例えば、認知段階の顧客に対しては「印象に残る短いメッセージ」で十分です。
一方、比較検討段階の顧客には「他社との違い」や「具体的な事例」が必要になります。
このように、顧客の心理状態に合わせて情報設計を変えることが、ファネル設計の本質です。

IWOでは、これらの心理段階をもとに、各メディアの役割を整理し、顧客が自然に次の段階へ進むような導線をデザインします。


テレビCMとWEB広告の「役割分担」

テレビCMとWEB広告を単独で考えると、どうしても効果が分断されてしまいます。
しかし、実際の顧客行動は「テレビで知って、WEBで調べて、SNSで確認する」という流れが自然です。
それぞれの特性を活かしながら、どのフェーズを担うかを整理することが重要です。

① 認知

  • 主な目的:ブランドや商品を知ってもらう
  • 最適な媒体:テレビCM/YouTube広告/交通広告
  • KPI例:到達率、認知度上昇

最初の接点では“覚えてもらうこと”が目的です。短いメッセージでも構いません。大切なのは「印象」と「感情」に残ること。
テレビCMのように広範囲にリーチできる媒体は、認知形成に非常に有効です。

② 興味喚起

  • 主な目的:興味を持ってもらう
  • 最適な媒体:Instagram広告/X広告/短尺動画
  • KPI例:視聴完了率、エンゲージメント

ここでは「自分に関係ありそう」と思ってもらうことが重要です。
InstagramなどのSNSでは、ビジュアルやストーリー性を活かした投稿が効果的。
WEB動画では「体験」や「共感」を伝えることで、行動への意欲を高められます。

③ 理解促進

  • 主な目的:価値・強みを理解してもらう
  • 最適な媒体:WEBサイト/記事広告/LP
  • KPI例:滞在時間、直帰率

この段階では“論理的な理解”が求められます。
どのような課題を解決できるのか、他社とどう違うのか。
顧客が納得できる情報設計を行うことで、購買への一歩を後押しします。

④ 比較検討

  • 主な目的:他社との違いを伝える
  • 最適な媒体:検索広告/メールマーケティング
  • KPI例:CTR、CVR

比較検討フェーズでは、より精度の高いコミュニケーションが必要です。
検索広告では「具体的な悩み」をキーワードに設定し、メールでは信頼構築を重ねていきます。
判断に迷う顧客に寄り添うメッセージが効果を発揮します。

⑤ 購入

  • 主な目的:行動を促す
  • 最適な媒体:LINE公式/フォーム誘導広告
  • KPI例:問い合わせ数、購入数

購入段階では「安心感」「背中を押す一言」が重要です。
LINE公式などのチャットツールを活用し、即時対応できる環境を整えましょう。
購入後のフォローもこの段階に含まれます。

⑥ 推奨

  • 主な目的:ファン化・紹介を促す
  • 最適な媒体:SNS投稿/体験レビュー
  • KPI例:投稿数、UGC数

最後の「推奨」こそが、ブランドの成長に欠かせないフェーズです。
体験をシェアしたくなる仕組みを設計することで、広告費をかけずとも新たな顧客を生み出せます。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用が鍵となります。


統合型プロモーションの鍵は「顧客起点」

多くの企業はテレビ・WEB・SNSを部門ごとに分けて運用しています。
しかし顧客は、そんな境界を意識していません。
「昨日テレビで見たCMを、今日スマホで検索し、明日SNSでシェアする」。
それが今の消費者行動の現実です。

IWOは、すべての施策を顧客体験ベースで設計します。

  • 顧客インタビュー/アンケートで価値の源泉を把握
  • 顧客ピラミッド分析で層別戦略を立案
  • 各層×フェーズに最適なメディアとメッセージを設計

このように“顧客の感情変化”から逆算することで、マスとデジタルの垣根を超えた一貫性あるプロモーションが実現します。


統合型プロモーション設計の実践ステップ

統合型プロモーションは単発の広告ではなく、顧客戦略に基づいた一連のプロセスとして設計します。

  1. 市場・顧客調査:市場規模、認知度、顧客ピラミッド、競合比較などを行い、どの層にどんな価値が響いているかを把握。
  2. 顧客戦略立案:ターゲット層ごとの価値訴求ポイントを整理し、「誰に、何を、どう伝えるか」を明確化。
  3. ファネル設計:各フェーズに最適な媒体とメッセージを配置し、マスとデジタルを連携。
  4. 制作・実行:映像、WEB、SNS、イベントなどを統合的に展開。クリエイティブトーンを統一してブランドを強化。
  5. 効果検証・改善:ファネルごとにKPIを設定し、データをもとにPDCAを回す。ROIの高い「価値×勝ち」パターンを構築。

このプロセスにより、短期的な反響に終わらず、ブランド資産の積み上げが可能になります。


成功する企業は「広告ではなく構造を作る」

結果を出す企業ほど、広告クリエイティブそのものより「上流設計」に時間と予算を投資しています。
統合型プロモーションは、単に複数媒体を同時出稿することではなく、顧客体験全体の構造を作ることです。

たとえば──

  • テレビCMで認知を形成
  • WEB広告で興味喚起、LPで理解促進
  • SNSで信頼醸成推奨を拡大

こうした体験が連鎖的に繋がるように設計すれば、自然と「広告の一体感」が生まれます。
その結果、コンバージョン率(CVR)や顧客生涯価値(LTV)の向上につながるのです。


マスとデジタルを“分けない”考え方が未来をつくる

AIの発展やデータドリブンマーケティングの普及により、テレビCMもYouTube広告も、もはや別物ではありません。
どちらも「動画プラットフォーム」として顧客体験の中で連続的に機能します。

重要なのは、媒体を軸に設計するのではなく、顧客の情報行動そのものを設計すること
どのタイミングで何を感じ、どう行動するのか──。
そこに寄り添う設計こそが、これからのマーケティングに求められる視点です。

IWOは、リアルからデジタルまでを横断したプロモーションを一貫支援します。
800社を超える実績で培った知見をもとに、顧客の“感情の流れ”を科学的に分析し、成果に直結する構造を設計します。


まとめ

テレビCMもWEB広告も、目的はただひとつ──顧客に価値を届けること
メディアを分断して考える時代は終わりました。
今後は、顧客体験を中心に据えた統合型プロモーションが、企業成長の鍵を握ります。

IWOは顧客戦略を起点に、テレビとWEB、リアルとデジタルを越えて“ひとつの体験”を設計します。
顧客の心理・行動・感情を理解し、「価値×勝ち」パターンを共に創り上げることで、持続的な成果を生み出していきます。


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