▽この記事でわかること
「ブランディングって、ロゴやカラーを整えることでしょ?」──これは多くの企業が抱く誤解です。
本来のブランディングとは、「誰に」「どんな印象を」「どう残すか」という“印象設計”そのもの。商品やサービスではなく、企業の姿勢や文化、働く人の雰囲気までをも含めた「総合的なイメージ」を顧客の中に築いていく営みです。
たとえば、同じような価格・スペックの商品でも、「この会社なら信頼できそう」「なんか好きだな」と感じて選ばれる。こうした無意識の選択こそ、ブランディングがもたらす成果のひとつです。
つまりブランディングとは、見た目を整えることではなく、「共感や信頼といった感情」を意図的に設計すること。中小企業にとって、価格競争や情報過多の時代において、他社との差別化を図る“最大の武器”となるのです。
近年は、機能や価格だけでは選ばれにくくなってきました。同じような商品・サービスが無数に存在する中で、顧客が最後に選ぶ基準は「企業への共感」や「その会社らしさ」であることが増えています。
特に、BtoBや地域密着型の中小企業では、営業担当者の対応・会社の空気感・地域との関係性といった“目に見えない価値”が選ばれる理由になっています。
このように「人」や「想い」に価値が宿る今の時代、単なる商品訴求ではなく、「会社そのもの」を魅力的に伝える力=ブランディングが、より重要になっているのです。
多くの企業が「ブランディング=見た目を整えること」と誤解し、ロゴやパンフレットを刷新しただけで満足してしまいます。
しかし、それはあくまで“表層”の一部に過ぎません。デザインと中身(理念・文化・行動)が一致していなければ、顧客にとって違和感や不信感につながります。
本質的なブランディングとは、「なぜこの見た目なのか」「どうしてこの言葉を選んだのか」まで掘り下げ、会社全体に浸透させていくことが求められます。
中小企業では、どうしても「短期的な売上」に目が向きがちです。そのため、ブランディングのような長期視点の投資は後回しにされる傾向があります。
ですが、実際には「選ばれる理由」をつくるブランディングがあってこそ、営業活動の成果や広告効果も上がるのです。
「売れないからブランディングはできない」のではなく、「売れる仕組みをつくるためにブランディングが必要」なのです。
現場の担当者がブランディングの必要性を感じていても、経営層や他部署の理解が得られないことでプロジェクトが進まないケースは少なくありません。
特に中小企業では、一人ひとりの業務範囲が広く「余裕がない」ことが多いため、戦略的な取り組みが後回しにされがちです。
だからこそ、ブランディングは「全社的な共通言語」にする必要があります。「なぜ必要なのか」「何を目指すのか」を丁寧に共有しながら、会社全体で取り組むことが成功への鍵となります。
ある岡山市内の食品メーカーでは、既存商品が差別化できず売上が伸び悩んでいました。そこで、ペルソナを「30代の健康志向な主婦」に設定し、商品のネーミング・パッケージ・販促物すべてをターゲット目線で再設計。
結果、売上は2倍に伸び、特定のファン層ができたことで安定した支持を得るようになりました。
倉敷市にある建設会社では、理念で掲げていた「地域の暮らしを支える」という言葉と、実際の社員の行動が噛み合っていないことが課題でした。
そのため、社員全員との対話を通じて理念を言語化し直し、名刺や現場看板にも反映。朝礼で共有することで、社員の意識が変わり、顧客からも「一貫性がある」と評価されるようになりました。
総社市の製造業では、若手採用に苦戦していました。社内文化や働く雰囲気を言語化し、「真面目でちょっとユニーク」という企業の“らしさ”を明確に定義。
そのうえで、採用パンフレットやSNS発信を「らしさ」に統一したところ、応募数・内定数ともに前年比1.5倍を達成しました。
最初のステップは、顧客と自社がどの場面で接触しているかを整理することです。Webサイト、SNS、店頭、営業活動など、すべての接点を洗い出して一覧化しましょう。
接点ごとに「どのような印象を与えているか」「一貫性があるか」を評価することで、改善の優先順位が見えてきます。
ブランディングの核となるのが、企業の「らしさ」を一言で表現するタグラインです。これは単なるキャッチコピーではなく、「何を信じているか」「誰のために存在するのか」を伝える言葉です。
よいタグラインは、「提供価値」「対象顧客」「自社の信念」という3要素を内包しています。これらが曖昧だと、表現もぼやけてしまいます。
タグラインは社外向けだけでなく、社内での共通言語としても機能します。誰が話しても同じ想いが伝わるように、「短くて覚えやすい」「使いやすい」表現にすることが重要です。
完成したタグラインは、Webサイト、名刺、会社案内、SNS、広告など、あらゆる発信・接点に一貫して盛り込みましょう。
また、社員の接客態度や提案内容など、顧客が直接体験する部分にも「らしさ」が反映されるよう整えることで、ブランドイメージが強化されます。
第三者の視点が入ることで、自社では気づけなかった「強み」や「印象のズレ」が浮き彫りになります。
社内にいると当たり前になっていることが、実はお客様にとっては大きな価値だった、ということも少なくありません。
プロは見た目だけでなく「誰にどう届くか」まで設計します。
ロゴやカラーだけでなく、発信内容・言葉の選び方・表現トーンなど、総合的にブランドを構築できます。
社内だけで取り組む場合、リサーチや言語化に時間がかかりがちです。
プロの手を借りることで、最短ルートで意思決定が進み、スピーディに実行フェーズまで到達できます。
まずは現在のブランディング状態について、第三者の視点でチェックを行います。
自社では気づきにくい「伝わりづらさ」や「ズレ」を洗い出し、改善の糸口を見つけます。
企業の「らしさ」を表現するための言葉を、どのように組み立てるべきかをアドバイスします。
具体的な言い回し、表現の方向性、見せ方まで、プロの視点でブラッシュアップが可能です。
最終的には、「いつまでに、何を、どう進めるか」という実行計画を立てていきます。
社内で進める場合・プロに依頼する場合、どちらのケースでも活用できるようなステップをご提案します。
– ブランディングは中小企業こそ価値を発揮する戦略
– 岡山の地域性に合わせたアプローチが重要
– 自社で悩まず、まずは無料相談で第一歩を
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