こんにちは、尾崎です。
今日は、新規のお客様との打ち合わせを通じて、最近改めて感じていることを少し書いてみたいと思います。
「もっとお客様に来てほしい」 「売上を上げたい」 「反響の出る広告を出したい」 「SNSで若い層にアプローチしたい」
――そんなご相談をよくいただきます。
その際、私は「まずは“調査”から始めませんか?」とご提案することが多いのですが、 よくこう返されます。
「調査にお金をかけるのはもったいない。どうせならその分を広告費に回したい」と。
先日も、とある企業の経営層の方から、まさに同じ言葉をいただきました。
もちろん、広告施策は重要ですし、成果も比較的見えやすいものです。 成果指標としては、よくCPA(顧客獲得単価)が使われますね。
そしてそのCPAは、使う媒体やコンテンツの内容、予算のバランスによって大きく左右されるのは事実です。
でも、“媒体選び”や“目を引くコンテンツ”だけで、本当に差がつくでしょうか?
最近では、競合も利用していないような“魔法のような媒体”は、あったとしても短命です。 情報が拡散するスピードが速い今、すぐに他社にも知られてしまいます。
また、どれだけ目を引く広告が作れても、それだけで購入につながるとは限りません。 「おもしろい」で終わってしまえば、商品やサービスの本質的な価値が伝わらないまま、スルーされてしまうこともあります。
さらに、多くの企業では広告に割ける予算も限られています。 限られた資源の中で、どの媒体で“勝ちきるか”という戦略的な選択も欠かせません。
だからこそ、「顧客理解」がカギになります。
私が最も大切だと思うのは、 マーケティングの基本中の基本――**「顧客を理解すること」**です。
この部分が曖昧なままでは、たまたまうまくいくケースがあっても、継続的に成果を出し続けるのは難しいと感じています。
たとえば、ある人物を「27歳・独身の女性」とだけ理解している場合、どんな提案が最適なのか、判断は難しいですよね。
でも、もしこうまで理解が深まっていたらどうでしょう?
「27歳・独身の女性」 > 趣味は旅行。 > 1カ月前に東京から岡山へ転勤してきたばかり。 > 車がなく、まだ岡山駅周辺を徒歩で少し探検した程度。
この方に“何を届けたら喜んでもらえるか”を考えたとき、提案の切り口や伝え方は全く違ってくるはずです。
広告に置き換えても同じです。
顧客を深く理解することで、メッセージの伝わり方が変わり、 結果として**CPAの改善も期待できます**。
「調査にお金をかけるのはもったいない」と思われる気持ちも、決して間違いではありません。 ですが、 **“顧客理解への投資”は、広告効果を高めるための土台づくり**だと私は考えています。
少し遠回りに見えて、実は一番の近道かもしれません。
それではまた。 尾崎