2025.11.10
「まだ知らないファン」を掘り起こす─リターゲティング戦略の新しい形

なぜ今、“リターゲティング”が見直されているのか

Cookie規制とともに変わった「追いかける広告」の常識

一度サイトを訪れたユーザーに広告を配信する──いわゆる「リターゲティング広告」は、かつて新規顧客獲得の主流でした。
しかし近年、Cookie規制や個人情報保護の流れにより、従来の「追いかける広告」は次第に効果を失いつつあります。

同時に、ユーザーの心理にも変化が起きています。
見た瞬間に「またあの広告か」とスルーされるようになり、広告そのものが嫌われるリスクも高まっています。
つまり「どこで」「どんなメッセージを」届けるかよりも、
“誰にとって価値がある話か” が問われる時代に変わったのです。

見込み顧客を“追う”だけの時代から、“価値観でつながる”時代へ

リターゲティングの本質は、「過去に接点を持った人との再接触」ですが、
これからの時代は「似た価値観を持つ人に、新たな形で出会うこと」にシフトしています。

つまり、“追跡”ではなく“共鳴”。
商品を買ったことがない人でも、既存顧客と似た価値観・ライフスタイルを持つ人にアプローチできれば、
そこに新たなファン層が生まれます。

この考え方を、私たちIWOでは「顧客起点プロモーション」と呼んでいます。

IWOが考える「顧客起点プロモーション」とリターゲティングの親和性

「顧客起点プロモーション」は、商品やサービスの価値を“企業視点”ではなく、
“顧客が感じている価値”から再定義する手法です。

たとえば、ある住宅会社で「自然素材の家が好きな人」をターゲットにしていたとします。
しかし実際に購入した人の声を深掘りしてみると、
“木の香りで子どもが安心して眠れるから”という「情緒的価値」に共感しているケースが多い。
この“感じている価値”を言語化し、その価値観に近い人たちへ広告を届ける──
これがIWOが提唱する「リターゲティングの新しい形」です。


ファンの“共通点”を見抜く──既存顧客から潜在層を見つける方法

既存顧客の「感じている価値」を分析する

多くの企業は、年齢・性別・エリアといった表面的なデータで顧客を分類しています。
しかし、本当に重要なのは「なぜその商品を選んだのか」という“価値の理由”です。

私たちはインタビュー調査などを通じて、顧客が語る言葉の中に潜む「感情のフレーズ」を抽出します。
たとえば「落ち着く」「信頼できる」「他より丁寧」など。
これらは単なる形容ではなく、ブランドに対する“心理的満足点”の証拠です。

この価値を可視化できれば、次に狙うべき潜在層の輪郭が見えてきます。

デモグラではなく“価値観セグメント”で潜在層を定義する

たとえば「30代女性」という枠ではなく、
「忙しい毎日の中で安心できる時間を大切にしている人」という“価値観”でセグメントする。
このように価値観を起点にすると、地域も年齢も関係なく、
“共鳴する人”に広くリーチできるのです。

それが、これからの時代の“潜在層リターゲティング”の核心です。

「似た世界観を持つ人たち」をどう可視化するか

SNSやCRMデータを使えば、価値観の似た人を見つけることができます。

  • SNS上で顧客が「どんな投稿に反応しているか」
  • 購入後アンケートで「何に共感して選んだか」
  • LINE登録やメール開封率など「どんな情報に関心を持ったか」

これらを組み合わせていくと、「まだ知らないファン」が輪郭を持ち始めます。
数ではなく、“心の近さ”でつながる時代。
ここから、真のリマーケティングが始まります。


リターゲティングの再設計──“追う”から“導く”へ

ファネル別に考える「再接触」設計

「認知→興味→比較→検討→購入」という顧客ファネルの中で、
どの段階にいる人へ、どんなメッセージを届けるかが鍵です。

  • 認知段階:ストーリーや理念を伝えるコンテンツ広告
  • 興味段階:顧客の声やレビューで“共感”を誘う
  • 比較・検討段階:機能説明ではなく「他にはない価値」で差別化
  • 行動段階:LINEやメールで“最後のひと押し”

リターゲティングとは、「もう一度出会う」ための設計です。
“どのタイミングでどんな気持ちの人と再会するか”を設計することで、
広告は「しつこい」から「ありがたい」に変わります。

広告配信だけでなく、LINE・メール・SNSで「文脈接触」をつくる

再接触の手段は広告だけではありません。
LINE公式アカウントでのフォローアップ、Instagramのリール投稿、
あるいは購入者インタビュー動画など、複数の文脈で接触を設計することができます。

重要なのは「再会の必然性」。
“あのブランドらしい言葉”で再び目に触れたとき、
人は自然と「ここがやっぱり自分に合う」と感じるのです。

ファンの“再起点化”を狙う──既存顧客が潜在層を呼び込む構造

既存顧客の声や行動が、新たなファンを呼び込む力を持っています。
たとえば、顧客のインタビュー記事や体験ストーリーをSNSで再配信することで、
既存顧客が“語り手”となり、潜在層を自然に巻き込む。

これは単なる広告ではなく、「ファンがファンを連れてくる仕組み」。
IWOが支援するプロモーションの多くは、この“再起点化”を中心に設計されています。


実例で見る「顧客起点リマーケティング」──価値共鳴で新規獲得

住宅業界での成功例:購入者インタビューから導く共感訴求

ある住宅会社では、購入者インタビューから「安心して子育てできる家」という共通のキーワードが見つかりました。
それをもとに、Instagram広告やLPのメッセージを刷新。
“デザイン”や“価格”よりも“暮らしの安心”を中心に訴求した結果、
来場単価は20万円から8万円へと改善。

単に広告の内容を変えたのではなく、「顧客の価値」を中心に据えたことで、
共感をベースにした集客が実現しました。

スポーツ施設での事例:顧客の体験価値を可視化し新来客へ転換

あるスポーツ施設では、「ストレス発散」や「親子の時間」を求めて来店する人が多いと判明。
そこで、既存利用者の声を動画化し、YouTube広告で配信。
同じ価値観を持つ新規層からの来店が増加しました。

“楽しそうな映像”ではなく、“共感できる体験”を届ける。
これがIWO流のリマーケティング設計です。

IWOが提供する「顧客戦略×リマーケティング設計」のプロセス

  1. 既存顧客インタビュー・アンケートによる価値抽出
  2. 顧客ピラミッド(ロイヤル・一般・離反)分析
  3. 潜在層ペルソナの再定義(価値観ベース)
  4. クリエイティブ設計(メッセージ×配信チャネル最適化)
  5. 効果検証とファン拡張のモニタリング

「顧客理解→価値化→拡張」の流れを一貫して設計することで、

企業の“知られざるファン”を発見し、成果につなげます。


リターゲティングを“成果の出る仕組み”に変える3つのポイント

① 顧客理解を“データ+感情”の両面で捉える

数値データだけでは、顧客の本音は見えてきません。
行動データ(アクセス、クリック)と感情データ(言葉、感想)を掛け合わせることで、
真の意思を読み解くことができます。

② ファン拡張をKPIに組み込む

「売上」だけでなく、「ファン数の拡張」を指標に入れることで、
短期施策から中長期のブランド育成へと視点を広げられます。
これは、顧客の“共感”を育てることそのものがリターゲティングの成果と捉える考え方です。

③ 施策を点でなく線(顧客体験全体)で見る

広告、SNS、LINE、イベント──これらをバラバラに見るのではなく、
「一人の顧客がどのように体験しているか」というストーリーで繋げる。
それが、リターゲティングを“再設計”する上で最も重要な視点です。


まとめ──「似た人を探す」のではなく、「価値を伝え直す」ことから始めよう

リターゲティングとは、本来「もう一度出会うための仕組み」です。
でも、その“出会い”を変えるだけで、新しいファンが生まれます。

追いかけるのではなく、価値を照らす。
見込み顧客ではなく、共感顧客を増やす。

“まだ知らないファン”は、実はすぐそばにいます。
彼らに出会う鍵は、広告予算ではなく「顧客理解」にあります。


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